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2010年8月25日水曜日

ごあいさつと第2回見学会のおしらせ

皆さんこんにちは。今年の夏は厳しい暑さのようですね。
と、まるで人ごとのように話してる私は、この夏は研修でヨーロッパで過ごしています。
学生時代に一度、2ヶ月ほどかけてヨーロッパの中心部を歩いたことがあるのですが、今回はヨーロッパの周縁部を北から南に向けて歩いています。ただ今回は時間に限りがあるので飛行機を使っていますが、北欧、東欧、トルコ、マルタと移動しています。

かれこれ7、8年前から大学で「東アジア彫刻史」という科目を担当していることもあって、いつもアジアの西の境界はどこにあるのだろうかということを考えてきました。しかし、ユーラシア大陸はあまりに広く、そして多様な民族や宗教が重層的に混在していて見境がつかずに迷っていました。そのこことを今回つくずく思い知らされました。しかしこの未知なる出会いゆえに、新しいものの見方や考え方がはじまる予感もしています。
またそんなことをこの新しいホームページでお話させていただきたいと思っています。

どうか今後とも地方仏フォーラムをお見守りください。

(青)

第2回見学会(茨城)のおしらせ

見学日

2010年9月19日(日)

見学予定地

弥勒教会(笠間市)・弥勒仏立像(重文)
楞厳寺(笠間市)・千手観音立像(重文)
楽法寺「雨引き観音」(桜川市)・観音菩薩立像(重文)
西光院(石岡市)・十一面観音像

*当日、ご法要などお寺のご都合などにより見学地が変更になることがあります。

講師

青木 淳 先生(多摩美術大学)

参加費用

¥15、000ー(バス代、昼食代、拝観料、保険料など込み)

※当日バスの中でお支払いください。

集合場所

池袋西口西口交番前 8:30

お申し込みについて

chihoubutsu@gmail.comにお名前、ご住所、ご連絡先をご記入しお送りください。


現在、対応に少々お時間をいただいております。ご連絡頂きました方には、
必ず折返しご連絡さし上げますので、大変申し訳ござませんが少々お待ちくださいませ。

(残席6名程度です)


〒158-0093東京都世田谷区上野毛1-15-9上野毛壱番館103号 
電話 03ー6318-2720 地方仏フォーラム事務局

海外の地方仏

先日、ちょうどスウェーデンにいた頃でしょうか。
いつも地方仏フォーラムこのことを気に書けてくださっている方から

「北欧に地方仏が生まれたらどんな仏様になるでしょう?」

という難しい問いかけを頂いて、以来夏休み中考えていました。ヨーロッパの場合、政治的にも、宗教的にも、そして民族的にも多様な文化が重層していて一概に説明することは難しい気がしました。ただルネサンス期の前後の時期を見ていると、なんとなく時代の先端とその反対側にある地方性のようなものを比較することはできる気がしました。
仏像におけるお釈迦様や阿弥陀様のように図像学的に基準となるものがこちらではキリスト様であったりマリア様であったりという点では比較的その造形の特色みたいなものを地域ごと考えることは可能かな?なんて思っています。ただそれが「偶像」としてのものであるのか「説明(インフォメーション)」としての造形であるのかという基本的な宗教的理解で根本的に分かれてゆくものかもしれません。

またいつか、皆さんのご意見をお聞かせください。

(青)

お礼にかえて―第1回地方仏フォーラムにご参加頂きました皆様へ―

こんにちは。このたびは第1回の地方仏フォーラムに多くの皆様にご参加を頂きましたこと、こころより御礼申し上げます。きっかけはNHKの「クローズアップ現代」という番組で取り上げられた「仏像盗難」の問題でした。地方にある仏像を拝ませていただきながら、近年の仏像盗難の問題は、私自身も想像を上回る問題を含んでいることを感じてきました。
いつしか忘れかけていたのに、「お盆やお彼岸の日が毎年やってきて、そのとき集落のみんなで掃除を始めたら盗まれ ていたことに気づいた」いう手紙をいただきました。またその一方で、そうした事件から仏像を守ろうと立ち上がった地域の方たちの取り組みもまた多く寄せられました。仏像が安置されている環境はすべて違います。それ故に保護の仕方も異なり、基本的な保存や保護の方法をご紹介することが今は精一杯の状況です。ただそこに 古いこと、新しいことに関わらず「ほとけさま」がそこに祀られ、信仰を寄せている人たちがそこにいることを忘れてほしくないのです。今回の地方仏フォーラムはまず、日本のどこにでもこうした仏像が長い時間護られてきたこと、仏像とは私たちにとってなんだったのだろうか、そして各地に伝来するこうした「もの言わぬ仏像」が語りかけてくれる地域の歴史のあることを知っていただきたかったのです。
地方仏フォーラムはまだ生まれたばかりです。まずは、地方仏が語る日本の文化について触れてみてください。そこに日本人が大切にしてきたことの何かがある気がしてならないのです。どうか、これからも地方仏フォーラムをお見守りください。折々に、またご案内をさせていただきます。講演会や見学会に是非いらしてみてください。またお目にかかれる日を楽しみにしています。ありがとうございました。


地方仏フォーラム プロデューサー 青木 淳
世話人一同